Suno AIでは、1曲仕上げるために100曲程度ボツにしている

それは「失敗」ではなく、制作工程になった

Suno AIで曲を作っていると、よく聞かれる質問がある。

「そんなに量産して、意味はあるんですか?」

答えはシンプルだ。
1曲仕上げるために、100曲程度ボツにしている。

これは誇張ではないし、特殊なやり方でもない。
むしろ、AI時代の制作としては、ごく自然な工程だと思っている。


かつて「100曲ボツ」は成立しなかった

AI以前、100曲ボツにするというのは、
ほとんど現実的ではなかった。

作曲には時間がかかり、
アレンジには知識が必要で、
録音やミックスには環境が要る。

だから多くの人は、
「これでいく」と決めた1曲を、
できるだけ失敗しないよう慎重に磨き続けた。

失敗はコストだった。


Suno AIが変えたのは、失敗の意味

Suno AIを使うと、状況は一変する。

  • 数分で曲のラフが出る
  • 方向性を変えるのが簡単
  • 壊すことに躊躇がない

結果として、「ボツ」が異常な速度で積み上がる。

だが、それは浪費ではない。
探索そのものが制作になったのだ。


100曲ボツにすると、何が起きるか

面白いのは、
50曲を超えたあたりから、
「良い・悪い」の判断基準が明確になることだ。

・自分は何に反応するのか
・どんなメロディに拒否感があるのか
・どんな展開を「ありきたり」と感じるのか

これは理屈では学べない。
量を通してしか、身体に入らない感覚だ。

100曲ボツにするという行為は、
自分の美意識を抽出する作業でもある。


AIは「量産機」ではなく「濾過装置」

外から見ると、
AIは量産ツールに見えるかもしれない。

だが、実際に使っていると分かる。
AIは勝手に名曲を量産してくれる装置ではない。

むしろ、
人間の判断を何度も何度も要求してくる装置だ。

作る → 聴く → 違う → 捨てる
この判断を100回繰り返した先に、
ようやく「これは残す」と思える1曲が現れる。


100曲ボツにできる人だけが、1曲を完成させられる

皮肉な話だが、
AI時代において重要なのは「作る力」ではない。

「捨てる力」だ。

100曲をボツにできる人は、
100回「違う」と言える人だ。

そしてその「違う」は、
誰かの評価ではなく、
自分の感覚に対して誠実であることを意味している。


結論:これは近道だ

遠回りに見えるかもしれない。
しかし、これは最短距離だ。

100曲ボツにしなければ、
辿り着けない1曲がある。

AIによって、
その道を歩くことが現実的になった。

Suno AIで100曲ボツにしている。
それは失敗ではない。

それが、今の制作工程だ。


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Bluepiece Lab.
Bluepiece Lab.

AIを使ったクリエイティブを行うプロジェクト。
音楽や小説を中心に、作品全体を「ひとつの物語」として構築することにこだわっています。
技術よりも感情、効率よりも余韻を大切に制作しています。

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