楽曲の世界観から生まれた短編を、電子書籍風のレイアウトでお読みいただけます。
1. 別の世界の光
夜、部屋の明かりを落としたまま、葵はスマートフォンを眺めていた。
ニュースアプリの動画が自動再生される。音は出していない。
画面の中では、ドレスやスーツに身を包んだ人々が、赤い絨毯の上をゆっくりと歩いていた。
フラッシュが瞬き、誰かが誰かに微笑みかける。
祝福されるために用意された空間。
葵はそれを、感情のない視線で見ていた。
レッド・カーペットが“多くの人が憧れる、選ばれた人のために用意された道”だとしたら、
その対比として、ブルーカーペットは“自分自身のために敷かれた道”を描きました。
誰かに与えられるのではなく、「ここへ行かなければいけない」と衝動的に感じる。
自分の内側から湧き上がる意志。
その感覚を音にしたいと思いました。
青という色は、安心と冷たさを同時に持っています。
私にとっては、内省の色でもあります。
楽曲はいわゆる「マルサ進行」を軸に、今の時代に合った疾走感を持ちながら、
どこか都会的で、わずかに陰を帯びた響きを大切にしました。
MVでも描いたように、
ただ続く青い道を走っていく映像が、自然と浮かびました。
そこに他人は介在しません。
歓声も評価もなく、ただ自分のために進んでいく。
そんな景色を、この曲に重ねました。
自分自身にとっての、代表曲になるかもしれない。
そう思えるだけの静かな確信を、この曲は秘めています。
— maurice blue
Producer / Bluepiece Lab.
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