Suno AIと作った音楽の時間 – 第10回:アルバム「Falling Petals」について

AIによる作曲について、
正直に言えば、最初は少し懐疑的だった。

若い頃から曲を作ってきた自分にとって、
作曲は「自分の中から絞り出すもの」という感覚が強かったからだ。

けれど実際にSuno AIを使い続けてみて、
ひとつ、はっきりと分かったことがある。

世界を作っているのは、
間違いなく“自分自身”だということ。

AIは、あくまでツールだ。
ただし、それは
これまで出来なかったことを実現させてくれる、非常に優秀なツールでもある。

自転車に乗ることで、
人は自分の脚だけでは届かなかった距離へ行けるようになる。
AIも、それに近い存在なのだと思う。


アルバム「Falling Petals」には、
それぞれ異なる世界観を持つ10曲が収められている。

けれど、
アルバムとして通して聴いたとき、
不思議とひとつのまとまりとして、静かに落ち着く。

個々の曲には物語がある。
しかし大きな視点で見ると、
語っているテーマは変わらない。

生と死。
出会いと別れ。
悲しみと喜び。

花が咲き、散り、
また次の季節に咲くように、
人も、世界も、
繰り返しながら少しずつ大きくなっていく。


このアルバムを作り終えて、
過去に夢を追っていた自分に、
ようやく「いい具合の決着」をつけられた気がしている。

AIによる作曲が、
すでに多くのクリエイターによって実践されていることも知った。

そして、
作品を作ることがゴールではなく、
「どうやって聴いてもらうか」
「どう伝えていくか」まで含めて、
音楽なのだということも、あらためて実感した。

ここまでが、
2025年のSuno AIと一緒に作ってきた音楽の記録だ。

2026年には、
このAIを使った作曲の流れはさらに加速していくだろう。
賛否だけではなく、
さまざまな問題も生まれ、
マーケットも大きく変わっていくと思う。

その転換点に、
影響力は小さくても、
自分自身の作品を残せたこと
それは、個人的にとても大きな出来事だった。


ここからは、
アルバム「Falling Petals」に収録された楽曲を、
簡単に紹介したい。

花は散り

花が散り、また咲く。
別れの中に、必ず次の出会いがある。
生の循環そのものを描いた、アルバムの原点となる一曲。
AIを使った最初の作品であり、
“音楽に夢中になる感覚”を思い出させてくれた。

ブルー・カーペット

誰かに敷かれた道ではなく、
自分自身のための道を進む感覚を描いた楽曲。
都会的で疾走感がありながら、
どこか内省的な陰影を持つ。

ラスト・メモリーズ

美化された思い出に、
あえて深く浸ることを許した曲。
現実味の薄い、純粋でピュアな美しさが漂う、
繊細な一曲。

スターダスト

他人視点で描かれる、
スターになっていく存在への憧れと距離感。
強い輝きと緊張感を持ち、
アルバムの中でも特に存在感のある一曲。

日常のすきま

日常からほんの少し離れる“すき間”。
ちゃんと休んで、元気になったら戻ればいい。
そんな当たり前だけれど大切なメッセージを込めた楽曲。

未来の閃光

不安と期待が入り混じる時代の中で、
それでも前へ進もうとする感覚を描いた曲。
冷静さと本気が同時に存在する、
今の自分を象徴する一曲。

雨ハ止マズ

気だるさと哀愁をまといながらも、
最後にはほんの少しの希望が残る。
自在なアレンジも含め、
AI音楽の可能性を感じられる作品。

共感のリズム

分断が広がる世界で、
まずはこちらから「共感」を差し出すこと。
あたたかく、ポジティブなエネルギーを持った楽曲。

イマーシブ・ワールド

没入する仮想世界と、
遠くにある現実。
その境界が曖昧になっていく時代を描いた一曲。
答えは、あえて示していない。

宵のパレード

アルバムを締めくくるために生まれた曲。
物語はやがて、自分自身への愛へと辿り着く。
そしてこの曲のあと、
もう一度「花は散り」に戻ると、
不思議とすべてがつながる。


少しでも、
このアルバムや、
この記録に興味を持ってもらえたなら、
それ以上に嬉しいことはありません。

ここまで読んでくれて、
本当にありがとうございました。

Bluepiece Lab.
モーリス・ブルー

愛を分かち合いましょう
Bluepiece Lab.
Bluepiece Lab.

AIを使ったクリエイティブを行うプロジェクト。
音楽や小説を中心に、作品全体を「ひとつの物語」として構築することにこだわっています。
技術よりも感情、効率よりも余韻を大切に制作しています。

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