Suno AIと作った音楽の時間 – 第3回:インストを量産していた時期

前回、
Suno AIとの向き合い方が
「趣味」から「本気」へと変わった話を書いた。

今回はその流れで、
インスト曲を集中的に作っていた時期のことを残しておきたい。


「花は散り」で使っていたプロンプトをベースに、
他の曲も作り始めた。

気になるものができたら、
延長やカバーを何度も繰り返す。
納得がいくまで、形を整えていく。

インストだからこそ、
メロディや展開には特に気を使った。

歌がなくても、
聴いていて飽きないこと。
何度聴いても、どこかに引っかかりが残ること。

そんな曲を目指していた。


この頃から、
「Melty」とは別のプレイリストに、
曲を溜めていくようになった。

空気は似ているけれど、
少し違う方向を向いた曲たち。

ひとつひとつ、
不思議と個性を持っていた。


「ブルー・カーペット」は、
いわゆるマルサ進行の曲で、
都会的で、どこか陰のある雰囲気を持っている。

青い色がよく似合う、
クールな一曲だ。


「ラスト・メモリーズ」は、
繊細なピアノが印象的で、
胸の奥をきゅっと掴まれるような感覚がある。


「スターダスト」は、
名曲の気配が最初から漂っていた。

イントロからラストまで、
一気に駆け上がっていくような勢いがあり、
作っている最中も、高揚感が続いていた。


「日常のすきま」は、
落ち着いたメロディが心地よく、
安心感や、ささやかな温かさを感じさせる。


「未来の閃光」は、
エネルギッシュで、力強い。

前を向くような、
ポジティブな響きに満ちた曲だった。


「共感のリズム」は、
軽快なベースが印象的な、
どこかおしゃれな一曲。


「雨ハ止マズ」は、
テンポは良いのに、
しっとりとした雨の気配をまとっている。

少しだけ、
心を切なくさせる曲だ。


「イマーシブ・ワールド」は、
電脳世界を思わせる、
インパクトのある一曲。

現実と仮想の境目が曖昧になるような、
そんな世界観を持っている。


どの曲も、
意識して作り分けたわけではない。

それでも不思議と、
それぞれが独自の空気を持っていた。

インストなのに、
心に余韻が残る。

そんな曲が、少しずつ増えていった。


「花は散り」と同じように、
どの曲にもジャケットを作った。

その曲の世界観を、
一枚の画像に閉じ込める。

探して、試して、
「これだ」と思えるものを選ぶ。

このとき作った曲と画像が、
のちに『Falling Petals』のアルバムを形作ることになる。


少しでも誰かに聴いてもらいたくて、
昔作ったまま放置していた
SoundCloudのアカウントにもアップしてみた。

聴いてくれた人がいたのかは、正直わからない。

ただ、
海外のユーザーから
「イラストを描くよ」というDMが
何通か届いた。

特に何かが起きたわけではない。
けれど、
音楽がどこかで誰かに届いた、
その事実だけで十分だった。


この頃、
ひとつの感覚が、
ずっと頭の片隅にあった。

インストもいい。
けれど、
歌が入ると、
曲はもっと人の心に触れる。

それは、
長くバンドでボーカルをやってきたからこそ、
よくわかっていた。

だからこそ、
これまで意図的に、
歌を入れるのを避けてきた。


歌詞と歌を入れるということは、
もう一歩、
曲に深く向き合うということだ。

逃げ場がなくなる。

そして、
あの曲から、
ついに歌を入れることを決めた。

その話は、次回に続く。


🎬 この回で紹介したインスト曲

※YouTubeで視聴できるようにしています

ブルー・カーペット
スターダスト
雨ハ止マズ
愛を分かち合いましょう
Bluepiece Lab.
Bluepiece Lab.

AIを使ったクリエイティブを行うプロジェクト。
音楽や小説を中心に、作品全体を「ひとつの物語」として構築することにこだわっています。
技術よりも感情、効率よりも余韻を大切に制作しています。

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