ファンクタウンは、精巧に設計された仮想現実の都市。
すべての出来事は解析可能なパターンとして記録され、
偶然の存在しない世界が築かれてきた。
だが、未来を更新するため、
この街は法則に属さない"異物"の種を蒔いた。
――そして、十数年後。
蒔かれた種は育ち、法則では説明できない事象が街を侵食する。
秩序は揺らぎ、解析不能なノイズが世界を満たしていった。
その混乱の中で、力強く音が鳴る。
世界を書き換えるためのリズムとなる。


































スピードを信じている。
迷う前に、アクセルを踏むタイプだ。
早いマシンと、強い音が好き。
立ち止まるくらいなら、視点を失ったまま走り続けることを選ぶ。
このバンドの進行方向は、彼女の声が決めている。
ほとんど喋らない。
言葉よりも、低い音のほうが正確だから。
普段は漫画を読んでいる。
ページをめくるリズムと、ベースラインは、どこか似ている。
感情は、音の奥に沈んでいる。
だいたい何でもできる。
だから、どこにも縛られない。
兄貴分として慕われているが、本人はあまり気にしていない。
気が向いたときに現れて、いちばん自由な音を置いていく。
ピアノは、いちばん古い言語。
それ以外は、あとから覚えた。
ゲームとアニメと、現実の区別が、少し曖昧。
正確で、静かな音。
彼のキーボードは、この世界を少しだけ柔らかくする。
この中で、いちばん長く生きている。
冗談は古いが、リズムは新しい。
余計なことを言いながら、誰よりも正確に時間を刻む。
バンドが壊れずに走れるのは、彼が、時間を裏切らないからだ。
長い間、ファンクタウンにいた。
表舞台には出てこない。
このメンバーを集めた理由は、今も語られていない。
街が正常だった頃も、歪み始めた頃も、彼はそこにいたらしい。
「ロスト・パースペクティブ」は、視点を失ったまま、それでも前に進もうとする感覚をテーマにした楽曲です。正しさや意味が簡単に更新されていく現代の中で、自分がどこに立っているのか分からなくなる瞬間は、誰にでも訪れるものだと思います。
この曲では、そうした不確かさや違和感を、無理に整理したり、結論づけたりすることはしていません。むしろ、混乱したまま、揺れたままでも音が鳴り続けること自体に、一つの意味があるのではないかと考えました。
ファンクやサイケデリックの要素を軸にしながら、断片的な言葉やイメージを重ねることで、聴く人それぞれが、自分なりの視点を重ねられる余白を残しています。
この楽曲が、何かを理解するための答えではなく、立ち止まったり、考え直したりするための「きっかけ」として、そっと寄り添う存在になれば幸いです。
— maurice blue
Producer / Bluepiece Lab.
Single